塔に溺れて
この数日はやばかった。Towersというパズルにハマって、文字通り寝ても覚めても数字のことばかり考えていた。
きっかけは、Simon Tatham's Puzzlesというアプリを知ったことである。数独など、いろんなパズルゲームまとめて収録したもので、無料で、広告もない。問題は自動生成されるので、文字通り無限に遊べる。
iOS版もAndroid版もあるし、ウェブでも遊べる。Windows版もあります。
私もネットでしょうもないニュースを見る時間を減らしたくて、さっそくアプリをインストールして、幾つかのパズルを試した。そしてパズルの中の一つ、Towersにめちゃくちゃハマってしまった。
ルールはだいたい数独と同じで、各行・各列には同じ数字が一度だけ使える。入力した数字は「塔」の高さになり、大きいほうが高い。さらに、枠外にも数字が記載されている時があって、その方向からいくつの塔が見えるかを表している。
たとえば5x5の問題だった場合、使える数字は1~5である。枠外に1とあったら、そこから見える塔は一つだけなので、目の前に高さ5の塔があり、それ以外の塔は後ろにあって見えないということになる。反対に、枠外に5とあったら、手前から1,2,3,4,5と階段状にすべての塔が見えるわけである。
ふつうの難易度はサクサク解けるのだが、難易度を上げていくとヒントが少なくなり、絶妙に嫌らしくなっていく。平面的なパズルなのに、立体的に考える必要があるのだ。たとえば3本の塔が見えると分かっても、一番高い塔以外はどの高さが見えるのか分からない。手前にまとまっているのか、途中に「谷」があって奥のほうが見えるのかも分からない。多数の場合分けが必要になって、たくさんヒントがあるはずなのに、なかなか答えが見えてこない。
途中から6x6のExtreme難易度で遊んでいたのだが、そうすると本当にエクストリームで、一手を思いつくのに1時間以上かかることもある。一問ではなく一手である。
最後には総当たりで考えるため、スクリーンショットをとってiPadに送り、メモ書きしながら解く始末である。もっと早くこうすれば良かった。
結局、日常生活に支障がありすぎるのでやめた。難しい問題を数時間かけてようやく解いても、ワンタップですぐ次の問題を始めてしまう。ネットのニュースを見なくなるどころか、食事もおろそかになるし、まともに睡眠もとれなくなる。目はぼやけてくるし、ずっとスマホを持っていた左手は痛い。パズルの誘惑を断ち切るために無理矢理Twitterを見たりする。本末転倒である。アプリをアンインストールするしかなかった。
このごろはどんなゲームで遊んでもすぐに飽きてしまうため、なにかにハマる楽しさと空しさを感じた、久々の経験であった。
そうやって私はまたネットのしょうもない記事を見る日常に戻るわけである。でもウェブ版があるのでいつでもリンクを開いて遊べるのである。人生とは誘惑との戦いですね。とっても面白いのでみなさんもぜひ遊んでみてください!