物語としてのサッカー
浦和レッズは今季また新しい監督を迎え、今後の形になるような、ならないようなゲームを繰り返しているが、先日セレッソとの試合では相手に素晴らしいゴールをふたつ決められて負けてしまった。そのうちの一つがこれ。
結果から見ると、前に出すぎていたキーパーのミスと言うのは簡単である。しかしまあテレビで観ていた私自身、こっちを狙ってくるのかと驚いたわけで、相手を褒めるしかない。
次のアントラーズ戦も前半のうちに2失点して良いところがなかったが、途中から出てきた武田がJ1での初ゴールを決めて1-2。さらに終了間際にフリーキックのチャンスを得て、蹴るのはその武田。
これ、前の試合でやられたのが絶対に伏線としてあるよな。だったら自分もやってみようじゃん、俺は左足に自信あるし、みたいな。ゴール前では味方がふつうのクロスを待っていたわけで、それを囮にこのシュートを蹴るという度胸がすごい。テレビで見ながら、どこに蹴ってるねんと一瞬思ってしまった。
試合は引き分けに終わり、レッズの今シーズンの優勝はもう難しいかもしれないが、それでもこういうゴール、こういう物語を見るためにサッカーを観ているんだよな、と思う美しさであった。親がサッカー選手に育てたくて名付けたことが伝わる武田英寿22歳、今後も活躍してくれ~。