読まずに買い、学ばずに解く
「パズルで解く世界の言語: 言語学オリンピックへの招待」という本を買った。インターネットのどこかで紹介されていたと思うが、どこかは忘れた。数ヶ月のあいだAmazonのカートで眠っており、酔っぱらった勢いで家に送られてきた。私を毎日飲ませたら日本経済は必ず復活すると思う。
私はふだんAmazonで本を買わない。書店に貢献したいという気持ちもあるし、ネットで話題の本を片っ端から買っていたらキリがないというのもある。なるべく本屋で実物を見て買おうとしているが、幸か不幸か、ネットで話題だけれど実際に手に取ってみたらつまらなさそうな本はけっこうあって、特に帯のせいでがっかりすることは多い(という話は以前に書いた)。
「パズルで解く世界の言語: 言語学オリンピックへの招待」は、色々な国の言葉をパズル的に解く方法を学ぶ……という本だと思っていたのだが、実際には完全なドリルであった。序文に習うより慣れよと書いてあり、いきなり初級の問題を解かされる。ネタバレになるが、バーレーンが「二つの海」であることを早々に学ばされるのである。
もし私がこの本を本屋で手に取っていたら、なんの前置きもないのかよ! と思って買わなかったかもしれない。よく分からないままに買うという経験もたまには良いものである。あとは我が家に無限に広がる本棚さえあれば、もっと出版業界に貢献できるのだが。
「眠らない犬」という短編を書いた。暴力的な小説を書く練習である。気が向いたら読んでください。