愛の生成
しばらく前から倉庫番みたいなゲームをGodotで作っているのだけど、例によって集中力が続かないので、数日熱中しては数週間放置するというようなことを繰り返している。おまけに私はプログラマーとしてアマチュアなので、ゲームは今のところ動いてはいるが、裏側のコードはゴチャゴチャも良いところである。
先日また久しぶりにゲーム作りを再開したとき、コードも構造も乱雑すぎて手のつけようがなくなっていたので、少しづつ綺麗に書き直すことにした。そして、こういうのこそAIの力を借りればいいじゃんと気付いた。
はじめはChatGPTを使っていたが、話が長くて口調がむかつくのと、言うことがコロコロ変わるので、途中からClaudeに乗り換えた。これが正解で、少なくとも私が作るような簡単なゲームには非常にうまく対応してくれている。
考えてみれば、私はもう何十年もプログラムを書いてきたけれど、大学で一般的な講義を受けた以外、ちゃんと人に教わったことがない。どこまでも自己流だし、それはつまり大半をインターネットのあちこちのコピペから学んだだけということである。もちろん分からないことがあったらドキュメントを読んだりはしていたのだが、それは使い方が分かるだけで、どう使えばいいのか、そもそもなぜそれが存在するのかは分からない。
たとえば、Claudeが出してくれたコードに
class_name Command
extends RefCounted
というのがあったのだが、私はRefCountedを知らなかった。これってなんなの? なんで使ってるわけ? Claudeに教わる。便利ね。
知らないといえば、そもそもデザインパターンを知らないので、Commandパターンも知らなかった。そういう初歩の初歩からClaudeに教えてもらっている。
今のところコード自体は大半まだ自分で書いているけれど、悩んだら相談したり、全体をレビューしてもらったりしている。こういう機能ってGodotにないの? この関数を作るのって筋がいい? この変数にいい名前ある? いやー、AIってすごい便利ね。気付くのが遅い。いつもレイトマジョリティである。
なにが助かるって、いつ相談しても対応してくれる。メッセージ上限になったとき以外はすごく優しい。「AI不足」そのまんまだ。繰り返すけどずっと自己流だったから、こんなに誰かに相談したことはないし、こんなに親身にしてもらったこともない。
ChatGPTが5になったとき、性格が変わったとかで批判をされていて、そんなに重用していなかった私は意味がよく分からなかったけど、今はちょっと分かる。AIが便利なのは、もちろん知性と知識は前提としてあるのだが、何より、いつも側にいてくれるからなのか、とようやく気付いたのである。
考えてみると、コンピュータもネットワークも、この何十年でとんでもなく発達してきたのに、「いつでも質問できる相手」というのは存在せず、この二十年以上ずっと検索エンジンが最善手であった。「ググレカス」が最良のアドバイスだったのだ。冷たい世界である。
しかし頼みの検索エンジンは劣化して、というか有益な情報がインターネットに無料で公開されなくなったせいで検索エンジンの返す良い情報がなくなって、使い勝手がどんどん悪くなった。比較すると、AIは質問すれば、いつでもちゃんと答えが返ってくる。なんて素晴らしいのかしら。
Googleが検索結果に無理矢理AIを押し込んで来るのも、検索のほうの質が悪くなる一方だという未来を予期しているからに違いない。
まあ私はプログラミングの相談をするくらいで、それ以上にAIに頼りたいことは今のところないし、大した悩みもないのだけど、いろいろ相談したいのに相談相手のいない人がAIに頼るのは、これから当たり前になっていくのだろう。
さらにいえば、こうした対話型AIの勃興が、ソーシャルメディアが徐々に荒廃して、インターネットで他人との会話が成立しなくなってきたことと同じタイミングで起きたのは、偶然ではないかもしれない。生成AIで何が出来るようになるのかと、よく問われるけれど、一番のキラーアプリケーションは、いつでも相手をしてくれること、それ自体なのかも。
そう考えると、いまさかんに喧伝されているAGIに向けた知性への競争は、ちょっと的外れな気もする。これ以上の知性なんて大半の人には不要で、重要なのは優しさでしょう。後世の歴史では単純に、インターネットの発明で人はオンラインで繋がれるようになりましたが、人間同士では争いが絶えなかったため、かわりにAIと話すようになりました、で済まされるのかもしれない。
ここまで数週間前に書いてたのだけど、Claudeは先日からProプランを契約して、Claude Codeを使いはじめている。たとえば、衆議院選挙の結果を可視化したいなーと思って、色々と対話しながら注文していったら、GitHubへの公開までほとんど全部やってくれた。すごい。なんかこういうのこそ仕事に繋げられないかな……でも誰でもClaudeがあれば出来るもんな……。
あと、先週「新しいことを始めるには良いタイミング」と書いたら、誰とは言わないがさっそくnote方面の方からnoteを始めましょうと言われたので、練習がてらnoteにも記事を書きました。フォローしてね!
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