コーヒー完全に理解する
YouTubeが興味のない話をしつこくお薦めしてきて、根負けして見てしまうことがある。人が良いので。WIREDの、コーヒーについて質問ある? という動画もそうやって見てしまった。
私は長くコーヒーを飲まなかった。数年前、もっと温かいものを普段から飲んだほうが良いと家族に言われて、インスタントの紅茶オレを飲むようになり、インスタントのカフェオレを飲むようになって、それから外でもカフェオレやカフェラテを飲むようになった。
最近はコーヒースタンドがブームなのか、あちこちに店が出来ているので、私は自転車でそういう店を巡ったりして、確かに美味しいカフェオレやカフェラテが世の中には存在することも分かった。とはいえ、ブラックのコーヒーは今もまず飲まない。
さて、WIREDの動画で質問に答えているのはジェームズ・ホフマンというイギリス人。バリスタの元チャンピオンであり、コーヒー系インフルエンサーとして有名人だという。たしかに話は面白く、説明は明快である。コーヒーの味が抽出する時間や温度で変わるというのは、言われてみると科学的だが、考えたこともなかった。
以降、お薦めされるがままジェームズ・ホフマンの動画を無数に見た。著作も買いました。そんな彼が繰り返し主張するのは、良い豆と良いミルがあれば、簡単な手順で美味しいコーヒーは作れるということである。
なるほど。私は持ち前のリサーチ気質を発揮して、日本のネットではTimemoreというブランドのミルが人気と知るが、海外ではKingrinderのほうが評判が良いと分かり、AmazonのセールでKingrinder K6を買った。1万3000円くらいであった。ちなみにKingrinderのメリットの一つは、ご家庭にある一般的な電動ドリルが使えることである。
ちなみに、安い電動ミルは界隈では嫌われてる。このまえもソレドコが取り上げて、はてブでは総スカンであった。
そんなネット地雷を避けつつ、豆は近くの焙煎所で買い、ドリッパーはハリオV60。ジェームズ・ホフマンのメソッドでドリップコーヒーを作って飲んだが、やはりブラックで飲みたいとはあまり思わない。一方、ホットミルクと混ぜてカフェオレにするとなかなか美味い。概ね満足であった。
しかしもっとカフェラテ風にするにはどうしたらいいのか。これもまたジェームズ・ホフマンがちゃんと説明している。モカポットか、エアロプレスを使えばいいという。
なぜか同時期、はてなでモカポッド(マキネッタ)の記事が話題になって、私もこれを買おうかと考えたのだが、ガスコンロにかけるあいだ見守っていないといけないのと、本体が高熱になったあと洗うのが面倒だというので、エアロプレスのほうを買うことにした。全然知らない器具だが、もともとエアロビーというフリスビーを作っていた会社が作ったものらしい。
動画ではじっくり浸漬させるためエアロプレスを上下逆さまにしているが、これは引っくり返すのに失敗すると大惨事になるので、逆さまにしなくても同じ効果が得られるというフローコントロールなるアダプタも買った。ちなみにエアロプレスは日本で買うと今の円安以上にやけに高く、アメリカではその半額くらいで買える。
そういうわけでエアロプレス+フローコントロールでカフェラテ気分の、とはいえコーヒー10g・水160cc・牛乳160ccという、かなり控え目なレシピで作っているが、これがすごく美味い。すごく今っぽいカフェで出てきそうな、すごく今っぽいカフェラテ(風のもの)ができるのである。街で800円くらいしそうな味である。
いやー、新しいことを学ぶのは楽しいね。また一つ世の中の理に詳しくなってしまった。