蕎麦というのは美味しいのだが、どう捉えていいのか未だによく分からない。飲み屋としての蕎麦屋はいい。いろいろとつまんで、酒を飲んで、締めに蕎麦を食べる。蕎麦の位置付けがはっきりしている。先日、倉敷へ一人旅に行ったのだが、変わり蕎麦を出す店があって楽しかった。
分からないのは蕎麦屋のランチである。蕎麦だけを食べると、小食の私でもだいたい物足りない。かといって蕎麦ばかり二枚も三枚も食べるのも違う感じがする。だいたい東京の蕎麦屋には何かの間違いかと思うほど「つゆ」の少ない店もあるし、鴨そばなどにしてもちょっとした肉が数枚増える程度がほとんどで、蕎麦湯など出してもらっても、空腹度合いは変わらない。古来はより軽食の位置付けだったと聞く。
うどんやスパゲティは具材とセットにすることが容易である。うどんには肉や野菜をいくらでも受け入れる包容力がある。スパゲティにはサラダやスープなどつけても自然である。しかし蕎麦はもう少し気取っている。
これに対し、蕎麦を丼物とセット提供することで解決とする店が多い。そうすると相対的に蕎麦はおかずということになる。同伴がカツ丼などになると、もはや蕎麦のほうがおまけである。私はまあそれでいいが、蕎麦屋がそれでいいのだろうか。
そんな話を知人にしていたら、銀座にうまい蕎麦屋があるからそこに行くと良いと言われた。なんでもインドカレーが人気のメニューで、これ単体で満足できるそうである。なるほど。カレー、美味しいよね。