やじうま大人の喧嘩ウォッチ
たよりない話なのに旬の話をして申し訳ないけれど、ファンド会社のオアシスがKADOKAWAとその株主にあてたプレゼンテーションが面白かった。業績が悪いし見通しも不透明だからCEOを解任せよ、という内容。
KADOKAWA傘下のフロム・ソフトウェアや、ニコニコ動画に対する言及も興味深いのだが、個人的に一番面白かったのは、CEOのメディア露出が多すぎて、本業が疎かではないかという指摘だった。
会社の経営者や幹部がPRのためにメディアに出たり本を書いたりするのは今日よくある話だが、近頃は経営とは無関係にコメンテーター化(あるいはインフルエンサー化)している人も少なくない。そうした人達に、今までも批判がなかったわけではないが、株主の立場から批判が出てくるのは面白いと思う。
Xで炎上しすぎというスライドもあった。ただ、これは古い投稿ばかりサルベージされていてやや気の毒とも思う。
人間は影響力を持つと誇示したくなるので、経営者がコメンテーター化するのも自然な流れかもしれない。しかし、本当にそうすることが「本人にとって」良いのか、というのは再考すべき時期なのかもしれない。少し前に書いた「悪い宣伝というものはない」は本当か、という話にも繋がる気がする。経営者になって、本を書いて、テレビに出て、YouTubeでチヤホヤされて、本当にそれでいいのか、という。
KADOKAWAは解任に反対しつつ、今後反論の資料を準備するという。野次馬としては、今後の展開が楽しみです。
これに限らず、最近はファンドによる、世論を巻き込むような形での経営批判というのが流行りらしい。たとえばペンタブレットで有名なワコムは、Asset Value Investorsから、経営者の子女をイベントで起用したり、オフィスをダンススペースとして貸し出しているなどの公私混同を批判されている。中でもダンススペースの位置特定のスライドが面白かった。
住友不動産新宿グランドタワー。広告代理店のセプテーニがあるので私も昔はよく通ったものです。もうやんカレーが隣にある。
ワコムは反論しつつ、今後はイベント運営などを見直すと言っている。
別の例では、フクダ電子が、同じように経営者の様々な公私混同をカナメキャピタルによって批判されている。30-40台の高級自動車が本郷にある会社のビルの駐車場に保管されているとか、有楽町の高級フレンチ「アピシウス」で380万円のロマネ・コンティを飲んで経費にしたとか。
しかし、こういう大人の喧嘩は面白いですね。今後もこうした経営者の隙をファンドが狙うようになったら、社員が情報をファンドに売る時代が来るかもしれない。Wikileaksはうまくいかなかったけど、ファンドと合体したり、海外で人気のなんでも賭け事にするサービスと結びついたりしたら……いや、よくない方向に話が進みそうなので、このへんでやめておきます。





