レッツ・ドライ2025
巷ではDry Januaryといって、1月だけ禁酒するみたい話があるが、私は今年から本格的に禁酒している。まあなにか戒律があるわけではないので、宇都宮で妻が苺ビールを買ってきたときは一口もらったし、フルーツカクテルが有名な店に行った時は一杯飲んだ。でも今年に入ってアルコールを飲んだのはそれだけである。
そもそもアルコールをたくさん飲むほうではなかった。一番飲んでいた時期でも、夕食で缶ビールを一本飲んだら、翌日は休肝日にするという感じ。直近は週に一本ビールを飲むかどうか、月に一本ワインを開けるかどうかというくらいであった。
その上でなぜ禁酒を思いついたかというと、昨夏に旅行などが続いたとき、美味しいごはんばかり食べていたら、過去最高に太ってしまったからである。秋にはハーフマラソンを走る予定があって、良い成績を残したかったので、禁酒をふくめ、真面目にダイエットしたのだった。結局、3kgほど痩せて、ハーフマラソンは自己ベストだった。
目的は達したのでハーフマラソン後は飲酒を再開しても良かったし、実際に飲酒する機会もあったのだが、いざ飲んでみると、別にもういいかな、と思った。
私は酒を飲むと眠れなくなる質で、そうすると翌朝ちゃんと起きられない。昔から薄々そう思っていたのだが、Garminのスマートウォッチを着用するようになってからは、アルコールを飲むと睡眠スコアが明らかに低くなるのが可視化されてしまった。もしかして、アルコールは生活に害なのでは!?
美味しい酒は今でも好きなのだが、睡眠と生活を犠牲にするのははっきり言ってバランスが悪い。特に近頃の私はランニングやら犬の散歩やら、毎日のルーティンが決まりきった生活を時計のように正確に送っているので、アルコールという不確定要素の入る隙間がなくなってきたのである。
まあここまで自分で書いていて思ったが、なぜ禁酒ができたかというと、そもそも酒にそこまでの興味がなかったからからなのだろう。
幸い、この年になると飲み会に行っても、人から酒を飲めと言われることもないし、そもそもそういうキャラでもない。飲み会の回数もめっきり減った。自炊してばかりである。どんどん健康になっていく。
酒をやめて、今まで以上に穏やかで健やかで平和的な性格になったが、一方で酒に関する話を読むと妙に苛々するようになった。このまえも「将棋の子」という、将棋の奨励会をめぐるとても良いノンフィクションを読んだのだが、作者が札幌に向かう寝台特急で缶ビールを開けまくるシーンがあって「飲みすぎでは……これから人に会うのに……」と思った。
あらためて世の中を見回すと、うまい酒、酒のうまい店、そんな話ばかりである。飲みたい人が飲むのは好きにすれば良いと思うが、酒ライターみたいな人達が自由気儘にうまい酒や酒のうまい店を薦めているのを見ると、まわりに対して無責任なのではないかと思ってしまう。
一方、アルコールをやめた私は”Factorio”のせいで未だ寝不足なので、そんなゲームを無邪気にお薦めしているお前も無責任だと言われれば返す言葉がありません。